【読書記録】「分かりやすい文章」の教科書

情報

• タイトル: 「分かりやすい文章」の教科書

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• 著者: 藤沢 晃治

• 読書開始日: 2023/11/10

• 読書終了日: 2023/11/19

• 通読回数: 1

Memo

• 察して欲しいとする文章はやめる
• 「点の理解」と「線の理解」の二つを意識しないと分かりづらくなる

「わかりやすい文章」を書くための5つの技術

• 技術1: 構成の技術（わかりやすい文章構成で趣旨を素早く伝える）
• 技術2: レイアウトの技術（ポイントを強調した文字面で趣旨をアピールする）
• 技術3: 説得の技術（論理的な主張で読み手の同意を得る）
• 技術4: センテンスの技術（趣旨をスムーズに伝える）
• 技術5: 遂行の技術（文章を滑らかにする）

技術1: 構成の技術

• ポイント1: まず重要ポイントを書き並べる
• ポイント2: 要点を先に、詳細は後に書く
  • 「結論を先に、理由は後で」、「主張を先に、根拠は後で」、「結果を先に、原因は後で」などです。
• ポイント3: 不必要な情報を書かない

技術2: レイアウトの技術

• ポイント1: 見やすい文字配置にする
  • 改行したり空白行を入れる
• ポイント2: 情報構造がわかるようにする
  • 親子関係・並列関係を明示する
• ポイント3: 「かたまり」を区別する
• ポイント4: 見出しをつける
  • 「見出し」は主題文をさらに要約して、１５字以内にできれば理想的です。

技術3: 説得の技術

• ポイント1: 正確な論点で書く
• ポイント2: 読み手の視点で書く
  • 「なぜ？なぜ？」は猜疑心によるものばかりではありません。色々な意味で書き手と読み手の「レベル」が違っても、起きてくる
• ポイント3: 自分の感情は抑えて書く
  • 実務文は感情のままに書かない
  • 感情が高ぶった一言が信頼を失わせる
  • 定形文を活用する
    • 無益な感情の摩擦を防ぎ、できるだけスムーズに目的が達成され
• ポイント4: 比喩を使う

技術4: センテンスの技術

• ポイント1: センテンスを短くする
  • 平均40字以下を目指す
  • 「句点（。）」と「しかし、」で二つに分割することです
• ポイント2: 事前分解しておく
  • 本多勝一氏は、以下のように読点を打つ原則を三つ挙げています。
    • 原則1: 長い修飾語の境界に打つ。
    • 原則2: 逆順の時に打つ。
    • 原則3: 書き手の自由思想として打つ。
      • 原則3（筆者変更）誤解防止のために打つ
• ポイント3: 曖昧さをなくす
  • 修飾語は近くに置く
  • センテンスを分割する
  • 代名詞の指す先をはっきりさせる
  • 否定文に気をつける
  • 文脈を省略すると曖昧になる
  • 具体的に書く
    • 「なるべく」や「すごく」などを使わず数値で書く
    • 例示する「いろいろと」->「どのようなことか」
    • 大分類ではなく、小分類で範囲を絞る
    • 具体性と抽象性のバランスをとる
      • 「抽象的説明は概要説明で、具体的説明は詳細説明です。あるいは抽象的説明は一般論で、具体的説明は特定の事項に関する説明です」
• ポイント4: キーワードを作る
  • キーワードとは、少ない字数の中に複雑な意味が凝縮されている言葉
  • プログラムでいう変数や関数みたいな感じ（DRY）

技術5: 遂行の技術

• チェック1: 無駄はないか
  • 重複語、修飾語、接続詞、語尾の四つがあります。
  • 重複語
    • 普段の熱 -> 平熱
    • 補足説明を追加する -> 補足説明をする
    • まず、第一に -> 第一に
  • 過剰な修飾語
    • 自分の気持ちをいれない
  • 不要な接続詞
  • 無意味な語尾
    • 投稿することが可能である -> 投稿できる
    • といえないこともない -> ともいえる
    • 無駄と言ってもいいだろう -> 無駄だろう
    • というように考えました -> と考えました
• チェック２: 自然な五感か
  • 原則1: 強調したい修飾語を先頭に置く
  • 原則２: 長い修飾語ほど前に置く
  • 原則3: 概要説明の修飾語ほど前に置く
  • 原則４: 節の修飾語は句の修飾語より前に置く
  • 同音を繰り返さない
• チェック３: 丁寧な表現化
  • 丁寧語
    • 読み手に対する敬意を表す
  • 尊敬語
    • 主語に対する敬意を表
  • 謙譲語
    • 読み手に対する敬意から、書き手自身や書き手の所属先を主語として謙遜する気持ちを表

Check sheet

素早く伝わる構成になっているか

• 伝えるべき重要ポイントに落ち度はないか？
• 適当な段落に分かれているか？
• 文章の冒頭に主要段落が置かれているか？
• 途中の段落は、文章の最終目標を適切に支援しているか？
• 文章の目的と無関係で不要な段落はないか？
• 最後の段落で文章の最終目標をまとめとして再度、提示できないか？
• 各段落の冒頭に主題文が置かれているか？
• 各段落の支援文は機能しているか？
• 各段落に主題文、支援文以外の不要な文はないか？

読む気にさせるレイアウトになっているか？

• 文字ベッタリで読み手をうんざりさせていないか？
• 改行や空白行で風通しを良くしているか？
• 文章内の「かたまり」を見やすく提示しているか？
• 親子関係・並列関係を見やすく提示しているか？
• 適当な「かたまり」ごとに見出しを使えないか？
• 文章に「斜め読み体制」をもたせたか？

説得できる文章か？

• その文章全体として主張、意見は何か？
• それを支える根拠は、いくつあり、どれとどれか？
• 「二つの弱点」補強しているか？
• 裏付けるデータや事実を提示したか？
• 疑り深い読み手を想定しているか？
• 用語や説明の難易度に関し、読み手の視点に立っているか？
• 特定の知人、友人の読み手を浮かべているか？
• 読み手の感情に配慮しているか？
• 自分の感情に任せて語順が激しくなっていないか？
• 自分の感情に任せて大げさな表現をしていないか？
• 適切な比喩を使えないか？

趣旨がスムーズに伝わるセンテンスになっているか？

• 1センテンスの平均文字数は40字以下か？
• 「が」などで、センテンスを意味なく引っ張っていないか？
• 長い修飾節どうしの境界に読点を打っているか？
• 意味の区切りで読点を打っているか？
• 長い修飾語同士の境界に読点を打っているか？
• 語解防止に読点や区切り記号を使っているか？
• 同等な項目を並列表記しているか？
• 復数の節をそれぞれセンテンスに分割できないか？
• 何を指しているかが不明な代名詞はないか？
• 難解な用語や特殊語、略語は冒頭で説明したか？
• 否定文が思わぬ意味になっていないか？
• 程度を表す修飾語のかわりに数値表現できないか？
• 例を挙げられないか？
• 大分類ではなく、小分類でかけないか？
• 便利なキーワードを使いないか？

なめらかな文章になっているか？

• もっと削れる語はないか？
• 語順は自然か？
• 同音の繰り返しは解消したか？
• 丁寧に表現しているか

感想

リーダブルコードを読んだあとのような読後感だった。 「分かりやすい文章」を意識すると、みんなが幸せになる。

お気に入り度

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️